ブラザーCNCタッピングセンター 早送り異音

ブラザー工業

結構多いトラブルだと思います。
軸早送り移動時の異音発生です。早送り移動のたびにギャンギャンと響き渡り、壊れんじゃねえか?てな感じで怖いぐらいです。

数多くこのトラブルとは向き合いました。原因は、ほぼサポートベアリングの音です。

今までの状況では、10件あれば、7~8割がベアリング、残り2割がアンプ不具合という感じで、モーター不具合は未経験です。モーター不具合でも音はすると思いますが、何故かモーター不具合は経験しませんでした。

アンプ不具合で異音?と感じられるかもしれませんが、ベアリング不具合とそっくりの音がします。これサービスマンでも間違えます。実際僕の師匠も別のメーカーの機種でしたが間違えたことがあります。音だけで判定した場合間違えます。

ただ分解時に気が付きます。ベアリングがゴリゴリではないので、「あー。これ違うな、まあここまで分解したから交換はするけど・・・。」

ゆえに最初にアンプ振替して、異音発生軸が変化なしならメカ不具合と診断。もしくは最初にバラシてベアリングチェックという手順になるのです。簡単なのはアンプ振替です。あんまり汚れないし。原点減速LS付きの機種ならば原点復帰も面倒くさくありません。

アンプがおかしくなると通常と違って、移動するときに、細かくON OFFして動くような、ゴトゴトゴトという感じで早く動くと、ギャーッという音になるようです。振動もするのでベアリング不具合とそっくりです。マジで足元すくわれます。オーバーライド下げると異音がしなくなるか小さくなるので、判定しにくいんです。

 

サポートベアリングのチェックは、モーターとボールねじを分離する必要があります。ベアリングハウジングからベアリングをボールねじについた状態で引き出してチェックするので、そうなるとベアリング不良が確認できます。

モーターとボールねじの関係性が変化し、原点がずれるのでそのまま戻しても運転はできません。機械停止、生産停止になるので、生産を止められなければ、早送り速度オーバーライドを下げ、加工を続行してもらい、時間を稼いでもらいます。

ベアリングを先に取り寄せておくか、2日もらって1度ばらしてベアリングチェックしてから発注するかになりますが、先にベアリングを準備しておき、NGなら即交換が良いです。1日で修理完了です。

ある時から、メーカーさんからベアリング単品支給が無くなりました。ボールねじアッセンブリー支給になりました。(高価)最初の頃は取り寄せできていました。

メーカーさんが支給しなくなれば、アッセンブリーで交換するか、独自に修理方法を確立するかになります。残念ですが仕方がありません。

バラしてベアリング型式をチェックして、商社とかモノタロウで手に入れて修理するようになりました。ベアリングが悪いのははっきりしていましたので。ボールねじの軸寸法、外したベアリングの刻印、寸法を調べて、取り寄せます。

ハードロックナットという偏芯した締め付けナットも基本は交換です。これハードロックというだけあってえらく硬くしまっています。硬すぎて逆ネジか疑いました。(笑)

ボールねじは各メーカーさんの可動範囲とか機械の種類で特別仕様が多いですが、ベアリングは汎用共通であることも多いです。もちろん自己責任でやりました。

実績があれば良いと思ったからです。もたない、精度が出ないならダメですが、問題ないならベアリングの値段だけで治せますから。それでいけるという実績が欲しかったのです。

保証できませんと言われればそのとおりですが、同じメーカーの同じ型番のベアリング(末尾とか微妙に違うのもあります。寸法とベアリングメーカーカタログとにらめっこして選定する。)なので問題ないと思います。実際それで数多く異音修理しました。精度も出ます。

交換時の注意ですが、スライドカバーの変形があると、細かい鋳物の砂や金属の粉がベアリングケースに入り込み、グリスを洗い流してベアリングをゴリゴリにします。このゴリゴリを確認したいので、モーターとボールねじを分離してチェックするんです。ほぼゴリゴリでしたね。

よってカバーの変形も直さないと、ベアリングはすぐにダメになります。3か月もたなかったことがあり、(この時はメーカー支給のベアリング)ばらしてみると、グリスが洗い流され、中に砂がたくさん侵入という状況でした。カバー直して、ベアリング交換してからは問題なくなりました。

ボールねじ不具合は異音より精度が悪くなります。寸法精度が出ない。ボールねじ交換もする場合はメーカーからアッセンブリーで取り寄せます。異音だけ直したい場合はベアリング交換に挑戦も視野に入れます。

参考までに、軸関係のベアリングは高速回転はしないので、グリスたっぷりでも問題は起きませんが、主軸関係の高速回転部はグリス量は注意です。グリスたっぷり=発熱 になります。

グリスが抵抗になってしまい、ホイップされて発熱します。

触れなくなるぐらい発熱する場合もあります。グリスの量は多ければ良いというものでもありません。

これからはいろんなメーカーの機械でアッセンブリー供給になるのか心配です。

今後の町工場存続のためにも、自社で修理できるようにしておくのが良いのですが、なかなか人の関係で難しく、修理だけで雇うのも厳しいですから、頭の痛いところでもあります。

両方経験した、山さんからの報告でした。それでは。

コメント

タイトルとURLをコピーしました